食物アレルギー
赤ちゃんのアレルギーの原因
0歳の乳児では鶏卵、牛乳、小麦粉がほとんどです。1歳になるとナッツ類、魚卵(特にいくら)、落花生(ピーナッツ)なども加わります。2-3歳になると、えび、かになどの甲殻類も入ります
症状としては、食物アレルギーの場合5分以内に下記の症状が生じます
・皮膚症状
かゆみ、皮膚の紅潮が広範囲にみられます。
・呼吸器症状
喘鳴などの呼吸困難、くしゃみ、悪化したら顔面蒼白
この2つが重要です
このほかにも
消化器症状としての、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢、血便
粘膜症状としての、結膜の充血や腫れ、涙、かゆみ、まぶたの腫れ
アナフィラキシーが悪化した場合には顔色不良・血圧低下による意識障害がみられます。
食物アレルギーの診断としては、まずは反復して症状がでるか、症状が出るにはどれくらいの摂取量なのかを把握します。
例えば卵であれば、加熱した卵白・卵黄なのか、卵ボーロなどの加熱加工品で生じるのか、
アレルゲンの可能性がある食べものを「必要最低限の除去」になる量を問診などで判断していきます。
必要最低限の除去とは、以下のことを意味します。
● 原因食物そのものを除去する
● 原因食物でも医師が診断した食べられる範囲の(症状が誘惑されない)の量。また、加熱するなど調理方法を指定する
症状が出るまでの量は、その時の体調によりますので、体調不良時には原因食物を摂取は控えた方がよいでしょう。
<検査>
原因食物の血液検査(IgE)を行い、アレルギーの引き金となる物質へのIgE抗体を検査します。ただ、この数値とアレルギーの重症度の発生頻度は比例しないため、あくまでも「目安」となります。この検査で陽性であっても、この結果のみで食物アレルギーとは確定診断はしません。
どれだけの食事量を摂取できるかは、基幹病院で食物経口負荷試験を行い。
アレルゲンとなる食べものの確定診断と安全に摂取できる量を決めることができます。食物経口負荷試験は、アレルギー症状による重症化リスクがあるため、慎重に行います。食物経口負荷試験を真似て自宅で試しに食べさせることは危険なので、注意してください。
<治療>
卵・牛乳・小麦は年齢を経て食べられるようになる「経口免疫寛容」という現象があるため、少しずつ食べ慣れる練習は、医師の指示のもと可能です。
これに対して、甲殻類・果物・そば、近年では学童期以降においてくるみをはじめとしたナッツアレルギーでは、食べられるようになることはほとんどありません。外食や露店で商品を購入する際には、原因食物が混入していないか、確認が必要です。誤食時に備えた、エピペンの携帯やステロイド・抗ヒスタミン薬の内服も準備が必要です。