舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
現在、スギ花粉・ダニ抗原に対しての舌下免疫治療が日本では認可されております。現在では、アレルゲン(アレルギー物質)に体を少量ずつ投与することにより、アレルギーに慣らすことによって、アレルギー体質・反応を緩和して生活への支障を軽減することができます。このアレルゲン免疫療法と言います。
アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われており、従来はアレルゲンを皮下に注射する「皮下免疫療法」が主流でしたが、通院頻度も多く負担となっておりました。これを改良して、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が販売、普及され、ご自宅でも服用できるようになりました。2014年からスギ花粉症の治療が保険適用にて開始されました。
舌下免疫療法で期待できる効果として、3年以上の長期で適切な治療を継続した場合、アレルギー症状が軽くなり抑制する効果が70-80%と期待されております。完全に症状を改善する可能性もありえます。
<舌下免疫療法の注意事項>
治療前に、症状が対象アレルゲンによるものかの診断が必要です。(問診や検査が必須です)。また、治療は最低でも3年間となり、ほかのアレルゲンがある場合には効果は限定的になるなど注意事項はあります。
スギ花粉の舌下免疫治療は、スギ花粉の飛散時期(1月から5月)は開始できないため、スギ花粉に対する舌下免疫療法の開始は6月〜11月に限られます。ダニについては季節の定めはなく、随時可能です。また、この2つは併用することができます。
<舌下免疫療法の流れ>
1. 初回診察 診察を受けていただき、問診・アレルギー検査を行います。総合的に舌下免疫療法が効果的となるか、判断します。
※他院での検査結果(1年以内)をお持ちいただければ、検査は不要です
2. アレルゲンの初回投与 処方箋薬を発行し、薬局でアレルゲン処方薬を持参し、クリニックで初回投与をおこないます。投与後は約30分間、院内で経過を見ます。
3. はじめの7日間(導入)薬剤は、1日1回、舌の下にしばらく保持した後、飲み込みます。その後5分間は、うがい・飲食を控えてください。入浴・運動も一定時間控える必要があります。
4. 7日目以降(維持期) 増量した薬剤を1日1回投与します。これを3~5年間継続します。
舌下免疫療法を受けられない方
スギ花粉症/ダニアレルギーではない方
4歳以下(WHOの推奨に基づき5歳以上を当院で実施します)
重い気管支喘息がある方
侵襲の多い歯科治療が予定されている方
<舌下免疫療法の副作用>
主な副作用
口の中の副作用(口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ)
喉のかゆみ、違和感
耳のかゆみ
これらはだいたい1-2%見られますが、実施していくうちに慣れていくことが多いです
アナフィラキシー
診察のたび口腔粘膜に異常がないか、都度確認します。
舌下免疫療法の詳細は下記サイトをご参照ください。
▶︎鳥居薬品 http://www.torii-alg.jp