熱性けいれん
熱性けいれんは6か月から6歳くらいまで、38度以上の高熱のストレスにより、脳の機能が一時的に亢進することで生じる、けいれんです。特に多いパターンとして、急に白目をむいて、全身が硬直して、四肢が左右対称にバタンタン、ガクガクと手足をつっぱったり、激しい以後気をします。
熱性けいれんの場合、知的障害・脳機能の低下による麻痺などの後遺症は残しません。この一方で、発熱時のけいれんでは「細菌性髄膜炎、急性脳症、急性脳炎、電解質異常、低血糖」などの重篤な疾患、基礎疾患がないことを確認した、除外診断になることを理解しておく必要があります。高アンモニア血症、脳腫瘍」などの重篤な疾患ではないことを理解しておきます。
以下の場合には、「単純型」熱性けいれんであり、予後は良好です
・左右差がないこと
・5分以内に改善すること
・発作後に意識の戻りが良好であること
・24時間以内に1回しか繰り返さないこと
<けいれん発作時の対応>
まずは、お子さんを安全な平らなところにおいて、衣服を緩めてください。子供を横向きにして寝かせて、発作の時間・様子を観察します。決して、口の中に手を入れないでください。発作が5分以内で改善し、その後に意識がしっかりしている状態(呼びかけに反応し、視点があう、コミュニケーションがとれる)であれば、痙攣後に医療機関を受診して下さい。もし発作が5分以上も続く場合は、救急車を呼んで医療機関を受診しましょう。顔色不良、意識低下が続く場合も受診をしてください。
<痙攣予防のためのダイアップ座薬>
上記の単純型の熱性けいれんであれば、発作の回数が多くても知能・脳機能には影響はないとされますので、予防投与は不要です。
反面、15分以上の遷延性発作や重積発作がある場合、下記のうち2つ以上のリスクが満たした熱性けいれんが2回以上反復する場合にはジアゼパム(ダイアップ坐薬®)の予防投与が推奨されます。
・焦点性発作または24時間以内に反復
・熱性けいれん出現前より存在する神経学的異常・発達遅滞
・熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
・生後12カ月未満
・発熱後1時間未満での発作
・38℃未満での発作
ダイアップ坐薬は、発熱の気づいたら、その時と8時間後の2回1セットで使用します。3回目は1週間程度、再投与しないでください。過度に使用することで、精神神経への影響でふらつき、長時間の睡眠などのリスクがありえます。
けいれんの予防投与に関しては、かかりつけの医師とご相談して、決めることを推奨します。