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気管支喘息

 気管支喘息(喘息)とは、気管支にアレルギーや寒暖差など、様々な原因で慢性的な炎症があり、気圧・気候・感染を契機に、発作的に喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという音)やせき込みが連続する状態を、繰り返す状態です。感染の他、大声を出す・急に走る・気温差があり寒冷の刺激も発作の原因となります。

 喘鳴の聞き分けは医学的に重要です。実際には鼻が詰まっている、のどで痰が詰まっている音であることもあり、治療法が大きくかわるため、しっかりと鑑別をする必要があります。

 保護者からの「痰がからんで、ゼーゼーする」という訴えの場合、これのみで喘息と判断して治療がなされることもあります。不必要な薬が投与されていることになります。喘鳴はひどい場合には自宅でもわかります。ポイントは息を吐くときに音がしている、息を吐く時間が長い、胸をへこましたり肩・首の筋肉を使って呼吸をしているかなど、総合的な判断が必要となります。

 特に、3歳未満のこどもは、まだ気管支が狭いために、喘息であるかどうか診断するのは難しいです。こうした「ぜーぜー」を繰り返す、ほかのアレルギーを示唆する経過(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど)やアレルギーの家族歴をもとに判断します。

気管に慢性炎症があることによって、様々な刺激に対してデリケートになります。こうした気管の慢性炎症・過敏性の度合いによって、喘息の発作の重症度や頻度も変わってきます。

喘息発作が重くなれば入院を必要としたり、命にかかわる場合もあるため、普段からの予防が重要となります。

 

 喘息の発作の重症度と、その発作頻度により、4段階に分けて治療を行います。基本的には月1回の受診で状態を確認して、症状が3か月以上安定していれば、発作予防薬の減量や中止を段階的に実施します。季節の変化(気圧の変化)や入院を要する重篤な発作の既往の有無を含め、長期的な治療計画を立てていきます。

 発作時には気管支拡張薬の吸入、ステロイドの全身投与が必要となりますが、発作がない時期の予防としては、ステロイド・気管支拡張薬の吸入、ロイコトリエン拮抗薬などを行っていきます。

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