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夜尿症(おねしょ)

 5〜6歳以降も夜尿が3か月以上続く場合、夜尿症と定義されます。夜尿症の治療は、5歳以上が適応となりますが、一般的には集団生活・教育が本格的に始まる小学校入学以降に行われます。

夜尿以外に、便秘があればリスクとなりますので便秘の治療・生活習慣の改善を行っていきます。これに加えて、日中にも失禁がある、便失禁がある場合には他の疾患が考えられるため、早急に受診をして対処する必要があります。

 

 ご家庭でできる対策としては、無理に夜中に起こさない、夕食後の水分量は200ml以下にする、体を冷やさない、日中の尿のがまんの練習・訓練をすることが重要です。特に夏の冷房や、冬の寒いにはリスクとなります。また、規則正しい生活リズムに基づき十分な睡眠を確保することも重要です。

 

<夜尿の治療>

治療に用いられる薬は主に2種類です。

多尿型に対しては、尿を濃くして尿量を少なくする作用がある抗利尿ホルモン薬(内服薬)があります。また、尿量を増やす作用をもつ抗コリン薬(内服薬)や漢方薬が投与される場合もありますが、主には前者が試みられることが多いです。

 

 薬物治療では効果が不十分である場合には、アラーム療法を行います。就寝前にパンツに水分を感知するセンサーを取り付けて、夜尿を感知するとアラームが鳴ったり、バイブレーションが作用するため、目覚めさせて尿を抑制します。睡眠中の排尿を抑制して、夜間の膀胱容量を大きくすることが目的です。

 

 家族の対応としては、夜尿をしたことを怒らず、できたことをしっかりとほめることが心理的な対応として重要です。夜間の中途覚醒では、睡眠リズムが狂い、抗利尿ホルモン分泌が低下して、夜尿が遷延します。

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