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便秘症

 便は、基本的には1日に1回程度は出ます。排便は、大腸で水分が吸収されて、固形状の塊になり、これが肛門近くの直腸までおります。ここの直腸が伸びる刺激で、便意がでて、肛門から便が排泄されます。便が出ると直腸が再度収縮します。

 ​便秘はこの直腸が伸びた状態にならないことが主原因となります。小児の便秘の傾向が続くと、このまま慢性的になり夜間に腹痛などを起こして浣腸を必要とする場合もあります。小児科の救急で、腹痛で来院された方の多くが便秘症であることが多いため、日々の生活習慣が大事です。

便秘とは、便が出ないことにより、生活への影響が生じる(便をするときに痛くなる、便を出すのに時間がかかり苦痛など)ことを定義しており、何日に1回出ていないという定義はありません。

便秘が悪化した場合、肛門が切れて出血してしまうこともあります。さらに便秘がひどくなると、直腸にたまった便の塊の脇から、下痢状の便が漏れ出てくるようになってしまいます。

​ 長期間便秘を放置しておくとこのようになり、自分が知らない間に失禁してしまうようになります。周囲からも臭いなどと思われ自尊心も低下してしまします。

このような状態にならないように、普段の生活習慣で排便の習慣をしっかりとして、便を軟らかく保ち、痛みなく1日1回うんちを出す習慣をつけることが重要です。​

 

<便秘の治療>

 最近では、酸化マグネシウムにかわり、2歳以上であればモビコールの内服により症状が安定する傾向があります。これに加えて、食物繊維が多い野菜(根菜類など)と水分をしっかりと摂取することが重要です。また、運動習慣も腹圧をかけることにより腸管の動きを促しますのでおすすめです。  

 また、精神的なストレスを和らげることも大事です。排便への恐怖感、ストレスを減らして、トイレを楽しい雰囲気にすること、リラックスができるような状況を作ることが大事です。日々のストレスをかけないことも重要です。

 しつこい便秘には、継続した内服などの治療が必要ですので、薬がなくなる前に定期的に受診をしてください。排便の習慣は、子どもの身体的・心理的な発達にも大きく影響します。

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