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ウイルス性胃腸炎

 春にはロタウイルス、秋から冬にはロタウイルスが多いですが、治療の方法はどのウイルスであっても変わりません。ただし、発熱・血便などキャンピロバクターやサルモネラ・病原性大腸菌が疑われる場合には、抗菌薬投与が必要となる場合があります。

 

 嘔吐・下痢のみでの症状で、原因ウイルスを特定する必要は、親御さんの修行状況(飲食店勤務など)を除けば、基本的には不要です。なぜなら、脱水の治療や整腸剤投与、吐き気止めの投与などの一般的な対応は同じであるからです。これに加えて、子供の場合であれば、登校・登園の制限はないからです。

 

 症状と治療法として、大事なことは、全身状態の把握です。何回くらい嘔吐・下痢をしているかなど、水分はどれくらいとれているか、尿の状況がどうかなどを診察時にお伝えください。これらの情報と、身体所見に応じて脱水の度合いを判断します。

 治療の基本は嘔吐・下痢を止めることより、脱水症状の悪化予防が重要となります。体重の5%程度の減少を伴う、中等症・重症の脱水の場合には点滴による輸液が必要となります。

 

 脱水の予防は、体液に近い水分・塩分を含んだものを少量ずつとることです。最初は、ティースプーン1杯(約5ml)から始め、これを5-10分ごとに繰り返し、次第に増加していきます。1時間くらいかけて増量ができたら、少量ずつ食事をとっていきます。

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